Friday, November 30, 2007

エチオピア滞在記:標高3,100メートルの山を登る


ゴンダール2日目。再び早起きして、山登りにチャレンジすることに。ホテルから車で舗装されていない道を走ること約45分、車が入れなくなるところで車を止めて、山頂のビューポイントまでガイドさんに付いてひたすら歩きました。観光客らしき人たちは私たちだけで、案の定地元の子供たちもなぜかぞろぞろと付いてきて、知らぬ間に一番大きな女の子が私の手をとって足場の悪い道のりを歩くのを助けてくれました。(もちろん最後にしっかりチップを請求されました…)

この山はセミエン山脈といってアフリカの代表的な山脈の一つで、私たちがプチ・トレッキングしたところは標高3,100メートル。二人ともまったく高山病にならなかったのでよかったです(二人ともそんな標高が高いところを歩くとは知らなかった。)歩いていると次々に、息をのむような絶景が眼の前に現れてきます。
こちらの山羊、野生なのか飼われているのか不明。あと、バブーンと呼ばれる野生のサルがいっぱいいました。
急峻な渓谷をのぞきこむ私たち。左のガイドさんが指差しているのがお猿さんたち。
写真を撮りまくっていた夫は大いに遅れをとることに。ずっと先に見える白い点が私です。

これが、私たちが立っていた崖。かなり急でこわかったです。一瞬、ずるって滑って落ちたら終わりだーとか考えてしまいました。高所恐怖症の人には無理かも。
以上、雄大な山々の景色にたくさん魅了された体験でした。今回の旅は、日常生活から離れて歴史と自然を満喫できたのでTも私も大満足。Tはいつかまたここに戻ってきて本気でトレッキングをしたいと言っていました。私も時間があったらセミエン国立公園まで行きたかったなぁ。

Thursday, November 29, 2007

エチオピア滞在記:エチオピアの古都ゴンダールへ


ラリベラから飛行機に乗って今度はゴンダールへ。遅れることで有名なエチオピア航空、見事に3時間も遅れました。時間が少ないので結局ここでもガイドをお願いすることに。最初車込みで600ブルと言われましたが半額の300ブルまで値引きしました。やっぱりガイドさんがいれば重要なポイントを見落とすことなく一通りまわれるしエチオピアの歴史や文化についても学べるので価値ありです。

ゴンダールは17世紀から18世紀までエチオピア帝国の首都だった町。ゴンダール地域もユネスコの世界遺産に登録されています。最初に向かった先は、内部装飾が豊かなダブレ・ベルハン・セラシエ聖堂。この教会の天使の天井壁画が有名で、天井は80もの微笑む天使の顔に覆われていました↓
次に、ゴンダールの主要観光スポットである、エチオピアの歴代の王によって建てられた6つのお城を見に行きました。すべてのお城が一つの敷地内にあります。


ひとつひとつのお城の説明は省きますが、アラビア様式やヨーロッパ様式の石造りのお城はとても立派でした。いろんな国のお城を見るのは文化の違いが垣間見れて面白いです。日本のお城は質素、タイのお城は金だらけできらびやか、イギリスやフランスはゴージャス、エチオピアは・・・石造りだから重々しいかんじ?ですかね。


第二次世界大戦中にイタリアがエチオピアを占領していたとき、イタリア軍がここのお城を軍の本部として使用していたことからイギリス軍の空爆を受け廃墟となってしまったものもありました。(歴史的建造物は守ろうよってかんじですが。)屋根がなくなってしまったお城の中から見た空模様。


その後、ファシラダス王の浴場を見に行きました。浴場っていうかこれは巨大なプールでしょ!というくらい大きかったです。浴場の周りを取り囲む壁に木の根ががっしり張ってあり、長い歴史を感じさせます。
夕方5時頃ガイドさんと別れて、ゴンダールの町をぶらぶらしました。ゴンダールはラリベラと違って人口も多く町が栄えていました。ゴンダールは標高2000mという立地条件を備えているので、ファシリダス王は低地に蔓延したマラリアから民を守るためにここに遷都したとも言われています。だから夜はアジスアベバ同様肌寒かったです。夜は宮殿の前にあるHabeshaというローカルレストランでエチオピア料理を食べました。ここのラム料理がすごく美味しかったです。

Tuesday, November 27, 2007

エチオピア滞在記:ラリベラの早朝

前日は朝5時起きで、しかも一日中歩きまわって疲れたので早めに就寝。ちなみにラリベラは水不足の問題を抱えていて朝晩3時間しか水が出ませんでした。次の日はなぜか朝6時に起床。早く写真を撮りたいからと、支度をしている私を置いてTはさっさと外へ出ていってしまいました。支度を終えてTを追いかけると、やっぱり朝の6時半でもTの三脚のまわりには子供たちが集まっていました。みんな早起きだなあ。

こんな、壊されていないありのままの大自然を眺めていると日常のちっぽけな悩みとかはどうでもよくなります。ワシントンDCやアジスアベバにいると毎日せわしないけど、こうしてTと一緒に丘の上に座って目の前の自然を眺めてただのんびりできるだけですごく幸せに感じました。

エチオピア滞在記:夫がエチオピアにやってくる~世界遺産ラリベラへ~

先週水曜日から今週月曜日まで、サンクスギビングを利用してTが出張先のウガンダからエチオピアへ遊びにやってきました。待ちに待った1ヶ月半ぶりの再会。もちろん、到着した日はエチオピアレストランへ連れていき、エチオピア料理&エチオピアダンスを堪能してもらいました。そして次の日は短い滞在期間を最大限に活用すべく容赦なく朝5時起きで、世界遺産をめぐる旅へ出発!

最初に向かった先はエチオピアで最も有名な観光地であるラリベラ。アジスアベバから飛行機で約1時間のところにあります。 空港から町の中心地までの大自然が本当に壮大で、車で移動の30分間はその景色に目が釘付けでした。
ホテルに到着し、チェックインを済ませてから町をぶらぶら散策しました。すっかりカメラにはまってしまい、私がいない間に勝手に新しいレンズを購入していたTは、相変わらず写真を撮りまくっていました。観光地だけあって、立ち止まって写真を撮っていると子供たちが集まってきてお金をくれとせがんできます。Tが三脚を立ててカメラをセットしようとするとあっという間に子供たちに囲まれていました。それでもTはカメラに集中。

ラリベラへ来た目的は、ユネスコの世界遺産に登録されている、地下に彫られた「岩窟教会群」を見ること。12世紀に、エチオピアのラリベラ王がなだらかな斜面にあった巨大な岩を地下にくり貫いて造った11の教会が今でも残っているのです。岩でこんなすごい建築物が造れるなんて信じられん、とただただ驚くばかり。ひとつの教会から教会まで移動するにも岩でできた通路を通ったり真っ暗な洞窟をガイドさんと手と手をつないで、低くかがんで歩いたりしました。足場が悪いので歩きやすい運動靴を履いていてよかったです。あと、教会の内部に入るときは毎回靴を脱がないとならないので、靴下を履いていないときついです。教会内部に敷き詰められたカーペットは古くてダニやノミに侵されているとガイドブックにあったので、私は毎回ジーパンを巻き上げて床につけないように注意しました。
11の教会の中でも最も有名な教会がこちら、聖ジョージ教会(別名聖ギオルギス教会)。人が写っていないのでこの教会の巨大さがわからないかもしれませんが、ほんっとうにでかいんです。こんなのを800年も前にどうやってつくったんだろうか・・・一つの岩を掘り下げて造られているんですよ、これ。とにかくすごすぎでした。

教会は11もあるので、すべてはまわれませんでしたがそれでも3時間に渡ってひたすら歩いてかなり疲れました。政府公認のガイドさんは歴史とともに教会についていろいろ説明してくれるのでガイド料はちょっと高いですがお願いして本当によかったです。というかガイドさんがいないと教会から教会までの移動が複雑で探すのが大変だと思いました。教会の入場料は地球の歩き方によると100ブルでしたが、去年の秋から200ブルに値上がりしたそうです。
最後に、こちらはラリベラの夕暮れです。丘の上から眺める夕焼けはすごく幻想的でした。

Tuesday, November 13, 2007

エチオピア滞在記:日本人会運動会

エチオピアの日本人コミュニティーは小さくて、外務省によると約160人の日本人がエチオピアに住んでいるそうです。先週の日曜日、その160人のうちの半数以上が参加したエチオピア日本人会の運動会に私も参加してきました。私はエチオピア日本人会に登録しているわけではないのですが、JICAの方に運動会があることをお聞きして、運動会は小さい頃から好きだしいろんな方々にお会いできると思って(締め切りが過ぎているにも関わらずお願いして)参加させてもらいました。予想通りJICAと大使館関係者が大半を占めていて、民間の方が数人いましたが今思えば国際機関で働いている参加者は私以外にいなかったような気がします(お会いできなかっただけかもしれませんが。。。)

私が参加した種目は台風の目と子供をかついで走るのと(名前忘れた)リレーと、全員参加の玉入れと綱引きでした。何気にみんな参加すると結構真剣になって、応援するほうもアツくなったりして、とても盛り上がりました。私がメンバーだった赤組は最後の最後で負けてしまい、この年になってもやっぱりくやしかったですが(笑)お弁当も美味しかったしいっぱい楽しめたので参加できてよかったです。

ご家族できていらっしゃる方もたくさんいて、子供たちに「これが運動会っていうんだよ」と教えていて、そうかー日本の小学校に行けない子たちは運動会を知らずに育つのかーなどと考えてしまいました。青年海外協力隊員として体育を教えている方が、将来体育の先生になる予定のエチオピア人たちを連れてきていました。彼らはずーっと、はじめてみる運動会というものを見学していたのですが、きっと、開会式や閉会式になると言われなくてもきちっと整列して大使や日本人会会長などのスピーチを黙って聞き、ラジオ体操もみんなが揃って同じ動きをし、最後は全員でごみ拾いをする日本人を見てどう思ったのだろうと思いました。なんて真面目な国民なんだろうって思ったかな・・・?

そんな楽しいのどかな日曜の午後、上司から電話が。月曜にエチオピア政府に提出予定のレポートが終わっていないので来てくれといわれ、オフィスへ直行。夜は友達のバースデー・ディナーがあったのでそれに2時間だけ参加し、ごめんオフィスに戻らないとといってその場を去ろうとするとみんな目を丸くして「え?今日曜の夜9時だよ?」「日曜に仕事を頼まれたら断るのが普通だよ」「日本人て本当に真面目なんだね」などと言われました。その日は運動会で早起きをしていたので、結局目がしょぼしょぼしてきてコンタクトレンズがとりたくなる夜中の1時まで働きました。やっぱり日本人て真面目なんだろうか。というより、この組織にいると「責任」に対するとらえ方が人によって大きく違うと感じます。日本人は頼まれたことはその日のうちに終わらせようとするけどいろんな国の人と働いていると次の日に持ち越す人が多いことに気づきます。彼らは5時や6時に仕事を終えて家族のもとへ帰るのが当たり前と思っています(まあ当たり前なんですが)。個人的には、日本人は働きすぎだと思うので緊急時以外はみんな健康的に6時に帰ろうよって思います。。。

Saturday, November 03, 2007

エチオピア滞在記:援助協調の実態


現在土曜の昼間。終わらぬ仕事をしにオフィスにきたらミッション・ルーム(出張者用にコンピューターが用意されている部屋)は満員で皆さんカチャカチャと集中して仕事しています。大抵ミッションの人たちはワシントンDCから1週間や2週間という短期間でくるので、滞在中は週末も仕事・仕事・仕事。。。平日のスケジュールがタイトすぎるのでチーム内のミーティングは夜や週末に行われることもしばしば。それにしても、この怒涛の4週間でたくさんの援助機関の人たちにお会いしました。政府関係者はもちろんのこと、USAID、CIDA、DFID、Italian Cooperation、Irish Aid、JICA、GTZ、WHO、FAO、UNICEF、UNECA、ADB、UNDP、WFP、CARE、Concern、Save the Children、ESHE、World Vision、Pathfinderなどなど。ほかにも、きっとたーっくさんのボランティアやNGOが存在していて、ひとつの組織の中でもいろんなプロジェクトが動いていて、情報共有を促進すべしとか援助協調は重要だとかみんなわかっていることなんだけれども、ひとつの分野の中でさえすべての動きを把握するのなんて不可能だし、いろんなチーム/組織とミーティングを持つにも時間は限られているし、関係者みんなが同じ目的を共有できているわけじゃないし、なんか開発ってすごく複雑だ、と思う今日この頃です。UNICEFのエチオピア事務所だけで職員が250人いるらしいので、多分エチオピアにいる開発関係者はきっと1,000人は軽く超えるだろうと思う。まだ現場にきて1ヶ月しか経っていないですが、最近気づいたことはプロジェクトの立案・実施・評価などにかける時間と同じくらい、他の組織とのコーディネーションに時間をかけているということ。もちろんいろんな組織が同じことをやってもしょうがないので、情報共有はすごく大事なんですが、みんなめざすところは同じはずなのに相手のアプローチに納得がいかず組織間の対立が生まれていたり、あの組織はうちの組織を仲間はずれにしているとかの不満が出たり、なるほどーこんなに現場ではポリティカルな問題が起こっているのかーということを目の当たりにしているところです。対立や意見の不一致は避けられないことなので、コミュニケーションの仕方(ある意味外交能力)を上司から学んでおります。

でもやっぱり今の仕事は楽しい!ちょっと大きすぎる組織なのでずっとここにいたいかは微妙ですが、現在はプロジェクトの立案段階で、いろんな組織の関係者と共同作業で準備を進めているところです。3月にはボード(理事会)にもっていきたいので、かなり慌しいですがほーこんなふうに開発プロジェクトを準備するのかーということが学べて良い経験になっています。夫は先週から隣国ウガンダに出張中で、時差がなくなり電話もしやすいです。彼は1ヶ月間ウガンダにいる予定ですがサンクスギビングにエチオピアに遊びにきてくれるので、今はその楽しみを糧に仕事をがんばりたいと思います。

*写真は2度目のフィールドトリップで撮ったものです。